“創造力は生まれつきではない。思考の脱皮、視点の更新から始まる。”
旅に出ると、普段の自分がどれだけ“型”の中にいたかに気づく。
北欧13日間の旅は、
私の創造性を大きく揺さぶり、
仕事の仕方・判断基準・価値観の層を一段階押し拡げてくれた。
創造性は特別な才能ではなく、“視点の更新”から生まれる。
北欧はその更新スピードが異様に早い土地だった。
1|「予定を手放した瞬間」に訪れる、発想の自由
ロヴァニエミでのオーロラキャンセル。
天候の変化。
サンタクロース村での想定外の出来事。
旅の途中、計画していたことがいくつも想定外。
しかし、そのたびに感じたのは “想定外な分だけ、景色が拡がる” ということ。
予定を手放すとは、余白を取り戻すこと。
その余白に、ひらめきや気づきが入ってくる。
ブランドづくりでも同じだ。
正解や“らしさ”に縛られるほど、創造性は弱くなる。
むしろ、想定外を楽しみ、手放した委ねた瞬間に「本質」が立ち上がることの方が多い。
2|決める。すると景色は変わる
旅のハイライトのひとつが、オーロラだった。
最終日の3回目のオーロラチャレンジでは、
すでに、何度かうっすらと光に出会えてはいたものの、
「これが最高の状態なのか?」と問われれば、まだ答えは出ない。
そんな中、スタッフから
「もっと東に行けば見れるかもしれない。帰りが朝になっても行く?」
と声をかけられた。
疲労もあり、寒さも厳しく、行かない理由はいくらでもある。
それでも私たちは、“可能性のあるほう”を選んだ。
夜明け前の空に向かって車を走らせてもらったが、天候は回復しなかった。
結果だけを見れば「見られなかった」。
しかし、この体験はむしろ静かに示してくれた。
決断は、結果を保証するための行為ではなく、
自分の可能性のスイッチを入れるためのプロセスである、ということ。
ブランドづくりやビジネスでも同じだ。
決めて動いたからといって、すべてが望む通りに進むとは限らない。
ただし、決めて動いた人だけが、
次の視点、次の打ち手、次の機会
に先にアクセスできる。
現実は、成果から動くのではなく、
「動く自分へとシフトした瞬間」から変化を始める。
その朝、結果は得られなかった。
それでも、“行かない自分”ではなく“行くほうの自分”を選んだこと自体が、
私の創造性の回路を確実に広げていた。
この感覚は、北欧の旅から持ち帰った大事なビジネス資産のひとつだ。
3|“感性の記憶”が、未来の判断を変えていく

タンペレのサウナ。
アアルト邸の曲線。
Oodiのリビングルーム。
夜行列車のあたたかい個室。
スヴェンスクテン本店のディスプレイ。
これらは体験のようでいて、すべて“記憶のインターフェース”だと感じた。
良質な体験は、時間が経つほど“判断基準”として機能していく。
たとえば、空間づくりの提案をするとき、
あの図書館の光が基準になる。
コミュニケーション設計を考えるとき、
Oodiの“市民中心の動線”が基準になる。
ブランドストーリーをつくるとき、
サウナの“裸のつながり”が基準になる。
旅は、未来の仕事を豊かにする「感性データの蓄積」なのだ。
まとめ|創造性は“体験の編集”から生まれる

北欧の旅は、私の中に眠っていた創造性の回路を、何度も静かにスイッチオンしてくれた。
手放し、委ねる。
決める。
そして、体験を未来に持ち帰る。
創造性とは、突然どこかから降ってくるものではない。
世界から受け取った断片を丁寧に統合する営みだ。
旅で得た視点の変化は、これから企業のブランドや事業づくりに、確実に活かされていく。

